冬の手荒れの原因として思い浮かぶのは、冷たい外気です。けれど一日のうち、手が外気に触れている時間はせいぜい一時間ほどで、残りの時間は暖房の効いた室内にあります。手が乾く場所は、実は屋外より室内です。
暖房は空気を温めますが、水分を足しません。温められた空気は相対的に乾き、部屋の中のあらゆるものから水分を奪います。観葉植物の土、木の家具、そして手の表面。暖房の季節が始まる前に、室内でのハンドケアを場所ごとに整理しておきます。
暖房の部屋で手に起きていること
手の甲は皮脂腺が少なく、角質層の水分を守る皮脂膜はもともと薄い部位です。乾いた空気の中では、皮膚の表面から水分が蒸発し続け、皮脂膜はそれを引き止めきれません。室内で手を洗う回数が加われば、皮脂膜は流れ、乾いた空気がその後を引き受けます。
外気と違うのは、気づきにくいことです。寒風の中では手が乾いたと感じますが、温かい部屋では快適なので、乾いていることに気づきません。夕方、手の甲を曲げてつっぱる感じに気づくのは、乾き始めてから数時間が過ぎたあとです。
乾いた空気は、濡れた手にはとりわけ厳しい環境です。手を洗って拭いたあと、わずかに残った水滴は、乾いた部屋では数十秒で蒸発し、そのとき角質層の潤いも一緒に持っていきます。冬の室内で「拭いてから塗る」の間隔が短いほどよい理由は、ここにあります。
自宅、暖房の風と蛇口の近くに
自宅での工夫は二つです。ひとつは、暖房の風が直接手に当たる場所で長く過ごさないこと。ソファの定位置が送風口の正面なら、少しずらすだけで手の表面の蒸発は変わります。もうひとつは、加湿です。湿度計を一つ置き、乾いていると感じたら加湿器や、洗濯物の室内干しで湿度を補います。手のためだけでなく、顔や喉のためにも同じことが言えます。
そのうえで、塗り直す回数を増やします。冬の室内では、夏より手洗いの間隔が長くても、乾く速さは夏より早い。手を洗ったときだけでなく、手の甲がつっぱると感じたときにも塗る。台所、洗面所、リビングの手の届く場所に、美容液を置いておくと、塗る回数は自然に増えます。
職場、暖房の吹き出し口と窓際の席
オフィスは自宅より暖房が強く、湿度の調整が自分ではできない場所です。天井の吹き出し口の真下や、暖房の効いた窓際の席は、手にとって一日でもっとも乾いた環境です。席を変えられなくても、机の上の一本があれば、乾いたと感じた瞬間に塗れます。
職場で使うなら、塗った直後にキーボードに触れられるベタつかない剤型であること、香りが隣の席に届かないことが条件になります。昼食前の手洗い、会議から戻ったとき、午後に手の甲がつっぱったとき。一日に三回から四回、三十秒ずつで、夕方の手は違います。
在宅で働く日は、自宅と職場の両方の条件が重なります。暖房を自分で調整できる一方で、席を立つ回数が減り、手を洗う間隔が長くなり、同じ場所で暖房の風を浴び続けます。一時間に一度は席を立って水を飲み、そのついでに手の甲を触る。それだけで、乾きに気づく時刻が早まります。
温かい飲み物と、手袋をはずしたあと
見落とされがちな場面が二つあります。ひとつは、温かいカップを長く持つこと。手のひらが温まる心地よさの裏で、カップに触れている手の表面は温められ、水分が奪われています。もうひとつは、外から戻って手袋をはずした直後です。冷えた手が暖房の部屋で急に温まるとき、表面の水分は一気に蒸発します。
どちらも、手を洗う場面ではないので、塗る合図を見逃しがちです。「温かいものを持ったあと」「手袋をはずしたあと」を、手洗いと同じ合図として覚えておきます。合図が増えれば、回数は意志なしに増えます。洗う・潤す・守るの全体の順序は ハンドケアの基本 のページにまとめています。
Soie の考え方
Soie の エンライトハンドセラム は、ベタつきを残さず、一日に何度でも塗り直せるよう設計した手の美容液です。セラミド5種・ペプチド類(保湿成分)が角質層の潤いを支え、EGF・KGF(整肌成分)が手肌をすこやかに整えます。30mL のボトルを自宅と職場に一本ずつ置くと、暖房の季節の塗り直しは、思い出すものから目に入るものに変わります。
夜は、暖房を切った寝室で手が休みます。就寝前に美容液を二粒、関節と爪まわりまでなじませておけば、一日の中で乾いた風の当たらない数時間が、手にとっての回復の時間になります。乾燥の強い夜は、その上にクリームを重ねても構いません。
冬の手を乾かすのは、寒さより暖かさです。暖房の入る前に、置き場所と合図を決めておく。それだけで、この冬の手は違う感触で春を迎えます。
