手洗いは、数えられていない習慣です。歯を磨く回数は言えても、今日手を何回洗ったかを答えられる人はほとんどいません。無意識に蛇口へ手が伸び、無意識に泡を流し、無意識に拭く。それが一日に何度も繰り返されています。
手肌にとって、この「数えられていない」ことが問題です。一回一回は数十秒でも、回数が重なれば、手は一日のかなりの時間を濡れた状態と乾いていく過程の中で過ごすことになります。手の乾燥を考えるとき、何を塗るかの前に、何回洗っているかを知ることが出発点になります。
この記事では、まず一日の手洗いの回数を数え、洗うたびに何が失われるかを確かめ、洗わないという選択肢と、一回の負担を軽くする道具について、順に考えていきます。
一日の回数を、数えてみる
試しに、一日だけ数えてみてください。起きて顔を洗うとき。トイレのあと。朝食の支度の前と後。出勤して、建物の入口で消毒。昼食の前。午後にもう一度トイレ。帰宅して玄関で。夕食の支度で、肉や魚に触れるたび。食器を洗ったあと。入浴。就寝前。
数えてみると、十回を超える人は珍しくなく、小さな子どもがいる家庭や、調理や接客の仕事をしている方なら、二十回、三十回に届くこともあるでしょう。手洗いと消毒を合わせれば、さらに増えます。一回一分として、一日に二十分から三十分。手は、それだけの時間を水と石けんの中で過ごしています。
数えること自体に、意味があります。回数が見えると、「この一回は本当に洗う必要があるか」「この一回のあとに潤す時間はあるか」と、一回ずつの質を考えられるようになるからです。
洗うたびに失われるもの
手の皮膚の表面には、角質層の水分を抱え込む薄い皮脂の膜があります。こまめな手洗いは、汚れと一緒にこの皮脂を取り除き、潤いのバリアを壊しやすくします。洗った直後に感じるつっぱりは、この膜が薄くなった合図です。
熱いお湯は皮脂を奪う速さを上げ、洗浄力の強すぎる石けんは必要な皮脂まで落とします。石けんが肌に残ればそれ自体が荒れの原因になり、タオルでこすれば摩擦が加わります。そして、洗ったあとに何もつけずにいる時間が長いほど、角質層の水分は空気中へ逃げていきます。
手が顔より早く乾き、年齢の変化を早く見せるのは、顔よりはるかに頻繁に洗われるからでもあります。顔を一日に二十回洗う人はいません。けれど手は、それが普通です。手荒れを防ぐ洗い方そのものは 手荒れを招かない手の洗い方 に書きましたので、ここでは回数の側から考えを進めます。
洗わない、という選択肢
回数を減らすことは、衛生を手放すことではありません。目に見える汚れがない場合は、石けんと流水での手洗いを繰り返すより、保湿剤が配合された手指消毒を優先するほうが、手荒れを起こしにくいとされています。こまめな手洗いは皮脂を取り除きやすいためです。
つまり、一日の手洗いのうち、土や油や食材に触れたあとの「洗う必要のある回」と、ただ習慣で蛇口をひねっている「消毒で足りる回」を分けて考える、ということです。アルコールが刺激になる方には、アルコールを含まない手指消毒薬という選択肢もあります。いずれの場合も、乾いたあとの保湿を習慣にしてください。
もちろん、調理の前後や帰宅直後など、洗うべき場面は洗うべきです。減らすのは回数そのものではなく、意味のない一回です。
一回の負担を軽くする、二つの道具
回数を見直しても、残る手洗いはあります。そこで考えたいのが、一回あたりの負担を軽くすることです。道具は二つあります。
ひとつは、洗うたびに潤いを残すソープです。洗浄のたびに皮脂膜が失われるなら、洗浄中も洗浄後も潤いを逃さない保湿処方のソープを選ぶことで、洗ったあとのつっぱりを抑えられます。手洗いの回数が多い方ほど、ソープの選び方が手肌の状態を左右します。
もうひとつは、洗った直後の美容液です。拭いたあとの数十秒、手がまだやわらかいうちに、パール粒一つから二つを手の甲に取り、両手を合わせて広げ、指の間と爪まわりまでなじませます。ベタつかない剤型であれば、洗うたびに使っても作業の妨げになりません。洗面所に一本、デスクに一本と置き場所を決めておくと、手洗いと保湿がひとつの動作になります。
ぬるま湯で洗い、十分にすすぎ、こすらずに押さえて拭く。この三つを守れば、一回の手洗いが手肌から奪うものは、さらに小さくなります。
Soie の習慣
Soie が提案する手の美容の基本は「洗う→潤す」を一つの習慣にすることです。モイストフレグランスハンド&ボディソープ は、グリセリンやアロエベラ葉汁などの保湿成分を配合し、洗うたびに潤いを残すよう設計したソープです。洗ったあとは、手のためだけの美容液エンライトハンドセラムを手の甲から指先、爪まわりへ。ベタつきを残さないので、一日に何度でも使えます。
回数を数え、意味のない一回を見直し、残る一回の負担を軽くする。手を洗う回数と潤いは、両立できないものではありません。今日の手洗いを、まず数えることから始めてみてください。
