六月の終わり、日差しが急に強くなる頃になると、顔の日焼け止めを塗り忘れる人はほとんどいません。けれど、鏡の前で頬に伸ばしたその手の甲に、同じものが塗られているかどうか。ふと確かめてみると、答えは意外に心もとないものです。
手は衣服に覆われず、一年を通して外気にさらされています。しかも顔と違い、一日に何度も洗うため、朝に塗った日焼け止めは昼を待たずに落ちてしまいます。夏の手の美容を考えるとき、紫外線はいちばん大きな、そしていちばん見落とされやすい要素です。
この記事では、手の甲がなぜ日に当たりやすいのかを場面ごとに見たうえで、日焼け止めの選び方と塗り直しの目安、手袋や日傘といった道具、そして帰宅後の手の整え方を順にたどります。
手の甲は、思っているより日に当たっている
紫外線を浴び続けることで起こる皮膚の変化を、光老化と呼びます。手は顔以上に紫外線を浴びる部位とされ、ハリの低下やくすみに加え、手の甲のシミの原因にもなります。手の甲に現れるシミの多くは紫外線によるもので、光老化のもっとも一般的なサインのひとつです。
日に当たる場面は、屋外のレジャーだけではありません。運転中、ハンドルを握る手の甲には窓越しの日差しが当たり続けます。自転車のハンドル、ベランダで洗濯物を干す数分、ゴミ出し、犬の散歩。家にいる日でも、手だけは何度も日に当たっています。この積み重ねが、年齢を重ねた手の印象を左右します。
日焼け止めの目安は、SPF30以上と2時間ごと
手の日焼け止めは、顔や体と同じように毎朝塗ることが基本です。目安とされているのは、SPF30以上で、紫外線 A 波と B 波の両方を防ぐタイプ。手の甲から指の背、爪のまわりまで、顔に塗るときと同じ丁寧さで広げます。
屋外で過ごすときは、2時間ごとの塗り直しが勧められています。手の場合はそれに加えて、洗ったあとの塗り直しが欠かせません。手洗いのたびに日焼け止めは落ちていると考え、洗面所やバッグに小さな日焼け止めを一つ置いておくと、習慣にしやすくなります。
- 朝、顔に塗るのと同じ流れで、手の甲と指まで塗ります。
- 屋外では2時間ごと、そして手を洗ったあとに塗り直します。
- 運転や自転車の前には、手の甲を一度確かめます。
塗り忘れやすいのは、指の背と爪のまわり、そして手首です。手の甲だけで終わらせず、指を一本ずつ、手首まで広げます。顔に塗るときと同じ丁寧さを手にも向けるという意識が、夏の手を守ります。
手袋と日傘、日差しを遮る道具
塗るだけでなく、遮るという選択もあります。日傘は顔だけでなく、持つ手の甲にも影を落とします。長時間の運転や自転車では、薄手の手袋が手の甲を覆ってくれます。夏の手袋は暑さが気になるものですが、通気性のある素材を選べば、思うほどの負担ではありません。
ハンドルを握る手、スマートフォンを持つ手、テラスでカップを包む手。夏の手はいつも、何かを持ちながら日差しの中にあります。日傘を選ぶとき、帽子を選ぶときに、手の甲のことも一緒に考える。それだけで、守られる時間は少し長くなります。
日焼け止めと道具を組み合わせると、塗り直しの間隔に余裕が生まれます。完璧を目指すより、日に当たる時間を少しずつ減らしていく。手の美容は、そうした小さな引き算の積み重ねです。
帰宅後は、洗って潤す
一日の終わり、日焼け止めや汗を落とすために手を洗います。ここでの洗い方も、手肌への負担を左右します。熱いお湯は皮脂を奪いやすいので、ぬるま湯で。やさしい石けんを泡立てて包み、十分にすすぎ、タオルは押し当てるように使います。
そして洗ったあとは、すぐに潤いを補います。紫外線を浴びた日の手は、乾燥やくすみが進みやすい状態にあります。手の甲から指先、爪まわりまで保湿することで、日中に失われた水分と油分のバランスを取り戻す手助けになります。夏こそ、洗う→潤すの順序が大切です。
Soie のハンドセラムでは
Soie の Enlight Hand Serum には紫外線を防ぐ機能はありません。日中の外出時は、お手持ちの日焼け止めを手の甲にも塗ってください。その代わり、帰宅後に手を洗ったあとの一手として、セラミド5種・ペプチド類(保湿成分)と EGF・KGF(整肌成分)を配合した美容液が、夏の手に潤いを与えます。
ベタつきを残さないテクスチャーなので、塗ったあとに日焼け止めを重ねることもできます。朝はセラムのあとに日焼け止め、夜はセラムで整える。この流れを夏の習慣にしていただけたら、と考えています。詳しい使い方は手の美容ガイドに、季節ごとの疑問は手の美容 Q&Aにまとめています。
顔に日焼け止めを塗るとき、その手の甲にも同じ時間を使う。夏の手の美容は、たったそれだけの気づきから始まります。秋に鏡を見たとき、手の甲が顔と同じ表情をしていること。それがこの季節の、ささやかな目標です。
